導入編
As/Rって難しいソフトなんでしょ?
そうですね、全体像に慣れるまでは難しいソフトだと思います。
ヘルプも膨大なページ数がありますし、機能数も大量にあります。
ただ、ものすごくぶっちゃけますけど、ある程度把握しちゃえばそんなにヘルプを参照する必要はありませんし、実際にヘルプを読まないで使っている人の方が多いです。
具体的に、とある2週間でAs/Rのダウンロード件数が9,317件あったんですが、その期間のヘルプの参照件数は5,031件でした。
ヘルプの方のカウントはスタイルシートのファイルの参照数なので、ヘルプのどれか1ページでも参照してたらカウントされるのですが、要するに半数以上の人がヘルプを見てないというのが数字でご理解いただけるものと思います。
しかも、ヘルプで参照数が多いのは「Ver.xへの移行に関する注意事項」「As/R 使用許諾条件」といった、インストーラーとかダウンロードページにリンクが貼ってあるページなんで、さらに半減します。
さらにさらに、うっかりF1キーを押してヘルプを開いてしまうことが多々ありますが、そういう事故(?)の件数を引くと、さらに半減と・・・参照数は減ります。
ざっくりとした計算ですが、ダウンロード数の1/8~1/10ぐらい、月に換算して概ね1000~1500ページくらいしかヘルプは参照されていないと分析しています。
えらい少ないページビューですよね・・・
HTMLファイルだけで軽く200を超え、長編小説に匹敵する量の数のドキュメントなのですが、何人が読んでいるか・・・せっかく書いたのに・・・考えない方が幸せかもしれません。
それだけ、ヘルプを読まないで使ってる人が多い、言い換えればほとんどの人がヘルプを読まなくても使えているソフトであると言えます。
じゃぁ、ナニが難しいのよ?ということなんですが、正解が何通りも用意されているというのが混乱の元なんだと思います。
正解のひとつにたどり着いても、他にも方法があるんだったらもうちょっと何とかなるんじゃないか?とか考えると難しくなってきます。
例えばファイルのコピー機能とか、細かくカウントすると・・・(カウント中)・・・30種類まで数えましたが、まだまだありそうです。
しかも、よそ様のソフトを取り込んでしまえばユーザーさんで好き放題に増やせるんですよね。
本当に、キリがありません。
最大派閥の「ファイルのコピー」は説明が大変なので(ォィ)もうちょっと、シンプルなモノで説明したいと思います。
中くらいの規模でいうと・・・「オプション」の呼び出し機能です。
色んな場所に、オプション画面を呼び出すコマンドが散りばめられてます。
その動作の違いと言うものを、整理してみましょう。
呼び出すコマンドの場所 | 動作 |
メインメニュー ツール→環境設定→オプション | 前回開いたオプションページを開く |
ツールバー「ツール」のオプション(歯車アイコン) | 前回開いたオプションページを開く |
フォルダーバーのツールバーの歯車アイコン プルダウンメニューからのオプションを選択 | フォルダーバーのオプションページを開く |
タブバーのツールバーの歯車アイコン プルダウンメニューからのオプションを選択 | タブバーのオプションページを開く |
お気に入り/ランチャーバーのツールバーの歯車アイコン プルダウンメニューからのオプションを選択 | ユーザー定義バーのオプションページを開く |
最近閉じたフォルダーバーのツールバーの歯車アイコン プルダウンメニューからのオプションを選択 | 最近閉じたフォルダーバーのオプションページを開く |
表示設定ダイアログ 初期値設定ボタン | リストの表示の初期値のオプションページを開く |
表示設定ダイアログ テキスト幅設定ボタン | リストのモード依存の表示のオプションページを開く |
フィルタ設定ダイアログ 幅設定ボタン | リストのフィルタ・検索のオプションページを開く |
とまぁ、大きな所ではこんなものかな。
他にもマクロ入力支援とか、メニューエディタ、スクリプトの簡易設定ダイアログなど、上記から大量に漏れていますがキリが無いので今回はバッサリ省略します。
並べてみれば動きの違いって一目瞭然ですが、関連する機能の設定画面に飛んでます。
つまり、呼び出し元によって、同じ「オプション」というコマンドの動作結果が異なってるわけで、中身はそれぞれ別のコマンドとして機能を実装しています。
これは、いわゆる「状況依存型」の動作の実装デザインでして、「オプション」というコマンドに目的に近いであろう設定画面に飛ぶように、いわばおせっかいな動きとも言えます。
どの「オプション」コマンドを実行しても同じ結果がえられるというものではありませんが、「オプション」という「覚えるべきコマンドの数を減らす」という効果があります。
例えば右クリックメニューで「開く」ってファイルの種類によって動作が違いますよね?それと同じような考え方と言って良いでしょう。
Excelで開こうが、Wordで開こうが「開く」ってことです。
ちなみに、この考え方って、古いタイプのUIにこだわる人 or 脱却できない人は「ごちゃごちゃしていて分かりにくい」と感じるそうです。
逆に、近年のUIに馴染めている人にとっては「目的が明確になって分かりやすく使いやすい」と感じるそうです。
うちのソフトは、わりとモダンを追ってる体裁なので、前者の方には「すみませんが、諦めてください」です。
まぁ、こういうアプリケーションの考え方も世の中にはありますよ、て事なんですね。
このように「オプション」の呼び出しの全部の機能なんて把握しきれるものではありませんが、把握する必要もないというのが重要な点です。
もう少し他の事例を挙げますが、As/Rの機能って「掛け算で機能が増える仕組み」になっています。
例えばエクスプローラーの「一覧」は、As/Rで言うところの『表示モードが「一覧」』+『アイコンサイズが「小さいアイコン」』です。
表示モードとアイコンサイズを分離しちゃってることで、表示モードも、エクスプローラーが8通りであるのに対して、As/Rだと表示モードが7通り×アイコンサイズ6通り=42通りとなるわけです。
この掛け算の元の数字は小さい数字ですし、大した数じゃないってことが理解できるとハードルが低く感じるでしょう。
まぁ並び順のように、単純に200~300種類もある機能もありますが、これらも「フォルダ優先」などの組み合わせで、さらに倍に増殖します。
こういったものを単純に列挙していくと数千種類の機能があると言う計算になりますが、作者が機能数を数えることすら放棄しちゃってるってのは、このような機能が大量に存在しているからです。
それから、外部コマンド類まで話を広げると、チリツモでも数が多いんですが、その辺りは追々で「必要があれば使い方を覚える」で良いと思います。
作者も、使い方忘れてヘルプ読んでますし、作ってから1度も使ったことが無いexeコマンドが(数え中)・・・21個か、1/3は使ってませんね。
必要になった時にヘルプ見て、あーこういうのもあるのかで十分だと思います。
あと、こんなことを紹介するのも微妙なんですが、小・中学校の教材で使って良いか?なんて問い合わせが来たこともあります。
もちろん即OKしたわけですが、さすがに難易度高いんじゃね?と思って確認したところ、普通にガッツリ使いこなしてプラグインやら外部コマンドをVisual Cで作ってるそうです。
プログラミングの必修化ってスゲェ・・・(遠い目)
そういえば「小学生の頃からずっとお世話になっています。このたび社会人になりました。」なんてお礼状が来たこともあったのですが・・・私も歳取ったなと思いました。(苦笑)